2004年01月26日 |
中環審、“ベストミックス”によるVOCの排出抑制に傾斜 |
日化協や石連は“自主管理”を引き続き強く主張 |
【カテゴリー】:環境/安全 【関連企業・団体】:三菱化学、環境省、日本化学工業協会 |
中央環境審議会の大気環境部会は26日、第12回会合を開いてVOC(揮発性有機化合物)の排出抑制の方法論について意見を交わした。VOCの排出抑制の必要性と早期実現の重要性については、これまでの会合で各委員の間で意見の一致が見られている。しかし、具体的な方法論となると、法規制による実現が不可欠とする意見と関係業界の自主管理に委ねるのが妥当との意見が対立して結論を見出せないできている。こうした中で最近浮上してきたのは、法規制と自主的取り組みの組み合わせ、すなわちベストミックスが最適な手法ではないかとする意見であり、この日の会合ではこの提案を中心に意見交換が行われた。 具体的には、事務局の環境省環境管理局がまとめた「A.法規制(排出濃度規制)」「B.自主的取組」「C.法規制と自主的取組の組み合わせ」の3種類の手法の概要を参考にしながら全員が意見を述べたが、多くの委員がC案に同意を示した。ただし、日本化学工業協会や石油連盟の代表らが自主的取組で効率よく排出抑制を図るべきだと引き続き強く主張したため結論をまとめるにはいたらなかった。 このため同部会では、2月3日に改めて会合を開いてベストミックスを選択する場合の細目について検討することになった。そこで結論がまとまれば、ただちに中央環境審議会委員長に説明する。同委員長はそれを受けて環境大臣に意見を具申することになる。環境省では早ければ3月末に国会に新法案を提出したい考え。 この日、日化協の満岡三佶顧問(三菱化学顧問)は「規制的手法を導入するのは現時点では不適切」と主張して、その理由として以下の4点を挙げた。すなわち(1)規制的措置は限定的に用いるべき(2)人為的VOCの排出量とSPM(浮遊粒子状物質)や光化学オキシダントの濃度にどの程度寄与しているかが定量的に不明確な段階で規制的措置を導入するのは不適切(3)有害大気汚染物質の対策も自主管理で行っている(4)規制導入を決定するにあたっては費用対効果等について詳細な検討が必要--の4項目を挙げて各委員に慎重な検討を求めた。 |