2004年01月27日
三菱化学、カーボンナノチューブの新製法開発が進展
形状・構造の制御・設計が可能な技術の確立に展望
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学グループの先端科学技術の研究開発を担当する三菱化学科学技術研究センターによるカーボンナノチューブ(CNT)の新製法の研究開発が順調に進展、従来にない新しいコンセプトのプロセスの確立に展望が開けてきた。
 
 現在同研究センターが取り組んでいるのは、CNTの形状(直径、長さ、直線構造など)を任意に制御あるいはデザイン(設計)することが可能なCNT製造プロセスの開発。狙い通りの技術が確立されると、形状制御によって得られるより高い分散特性を生かした高導電材料や、マトリックスとフィラーの界面密着性の向上による導電性と機械的特性がより優れた材料などが工業化できることになる見通し。例えば、ポリマーに導電性や機械的な特性を持たせる役割を持つフィラーなどが大きく期待される用途分野の一つとして挙げられる。
 
 現在同研究センターでは、群馬大学の大谷教授との共同研究によって量産可能な液相法プロセスの開発を進めているところ。樹脂微粒子の合成→溶融紡糸→CNT前駆体として形状をデザイン→延伸変形→不融化処理→炭素化--が新技術の基本工程という。
 技術の確立時期については明らかにしていないが、海外先進国でも未開発のプロセスだけに、電子・電機など先端・戦略産業分野からも開発の行方が注目されている。