2002年05月22日 |
中環審の化学物質評価専門委、「環境汚染実態調査」を見直し |
22日の会合で事務局案を基本的に了承 |
【カテゴリー】:環境/安全 【関連企業・団体】:環境省 |
環境大臣の諮問機関の1つである中央環境審議会環境保健部会の下部組織である「化学物質評価専門委員会」は22日に第3回会合を開き、環境省が昭和54年度以降実施してきた「化学物質環境汚染実態調査」の活動の見直しについて意見を交わした。その結果、事務局である同省環境保健部環境安全課がまとめた原案を基本的に了承することで合意した。最終結論は、鈴木継美委員長がこの日に各委員から出された意見も踏まえて原案を部分修正するかたちで作成していく。 今回の同調査活動の見直し論は、化学物質排出把握管理促進法の施行、POPs条約の採択などによる化学物質と環境問題に係わる状況の変化と今日的な政策課題の両面にこれまで以上的確に対応していくには、新たな視点に立って同調査活動全体を見直して再構築することが必要との考え方から浮上してきたもの。 この日まとめられた[改善の要点]は(1)化学物質対策上の位置付けの明確化=施策に直結した調査対象物質選定調査の実施(2)調査体制や調査手法の向上(3)リスクコミュニケーションの推進--の3項目で構成されている。 このうちの第1の点については 1.化学物質審査規正法、化学物質排出把握管理促進法など各化学物質対策担当部署のニーズに応じた調査対象物質の選定 2.POPsモニタリングに対応するための調査の実施 3.環境リスク評価に必要な暴露量調査の強化 4.非意図的生成化学物質等の調査--の4項目が重要との結論になっている。 第2点に関しては 1.PRTRデータや化学物質データベースを用いた効率的な環境実態調査の実施 2.分析法データーベースの作成および新規分析技術の開発強化 3.精度管理の充実、分析機関の集約化 4.環境実態調査手法の向上 5.検体保存事業の充実--の5項目を具体的テーマに掲げていくことに意見がまとまった。 第3の点については、1.物質選定への専門家以外の参画など、調査についてのより一層の透明化 2.利用者に分かりやすく、利用しやすい結果の公表 3.調査結果および調査技術についての英語版の資料の作成など国際化を視野に入れた情報発信に務める--の3項目が特に重要なテーマという点で意見が一致した。 |