2004年01月28日
経産省「石炭政策」見直しへ研究会発足
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:資源エネルギー庁

経産省・資源エネルギー庁では、人口の増加によるエネルギー需要の増大など、エネルギーを巡る情勢に構造変化が生じているとして、新たに産学官および学識経験者からなる「クリーン・コール・サイクル研究会」を発足させることを決めた。長期的視点にたって「石炭政策」を見直し、石炭の効率的利用と、安定供給を柱とした、新しい「石炭政策」のあり方を検討していく。
 
 わが国は2001年に国内での石炭生産を全廃したが、現在でも年間約1億6,000万トンの石炭が鉄鋼用、発電用などの原料炭として輸入されており、一次エネルギーに占める割合は19%に達している。最近は電力自由化もあって、火力発電用に需要はむしろ増加傾向にある。また、資源として見た場合、石油に比べて偏在性が少なく安定供給が得られやすいといったメリットがある。
 
 こうした事情から、同研究会では今後のわが国エネルギー政策における石炭の位置付けや石炭利用技術の開発、安定供給施策など新しい石炭政策について検討していくことにした。メンバーは、末次克彦アジア・太平洋エネルギーフォーラム代表幹事を座長に、安藤勝良石炭エネルギーセンター理事長ら委員19人で構成。第1回会合を30日開催し、6月中旬中間報告をまとめることにしている。