2004年01月30日
三井化学もポリオレフィンの価格改定を発表
PEは12〜16円、PPは8〜10円幅で21日から実施
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は30日、ポリエチレンとポリプロピレンの販売価格を2月21日出荷分から改訂すると発表した。
 
 上げ幅は、グレードや取扱い規模によって異なり、ポリエチレン(LDPE、HDPE、L-LDPE)はキログラム当たり12円〜16円、ポリプロピレンは同8〜10円。ただ、ユーザーのうち、ナフサ価格見合いの決定フォーミュラー(四半期もしくは半年単位)を採用している顧客については、引き続きこれまでのフォーミュラーでの取引きを要望していくので、上げ幅や実施時期が多少異なる。
 
 今回の価格修正は、昨年11月以降の出発原料ナフサ価格の高騰によるコストアップ分を製品価格に転嫁するもので、同社では、ナフサ価格の上昇幅があまりに大きく、自助努力でカバーできる範囲を超えていると説明している。
 
 同社が想定している今年第1・四半期(1〜3月期)のナフサ価格は1キロリットル当たり2万9,000円前後。昨年第4・四半期価格を5,000円前後上回る。ポリエチレンの現在の価格は、ナフサ2万2,000〜2万3,000円見合いであり、ポリプロピレンは同2万4,000〜2万5,000円レベルという。したがって、採算確保のためにはどうしてもPEで12〜16円、PPでは8〜10円の価格修正が必要だとしている。
 
 もっとも同社では、実際のナフサ価格が現在の予想価格からずれた場合はそれに合わせて上げ幅を調整していく考え。
 
 また同社では、今回の価格改定を機に、“ナフサスライド型の価格決定フォーミュラー”の普及に一段と拍車をかけていきたいとしている。それに応じる顧客に対しては、第2・四半期からの切り換えることになりそうだ。
 
 ポリオレフィンの需給バランスは、内外の需要の回復に伴い月を追ってタイト化が進んでいる。今後も世界的に逼迫の度合いが強まっていく見通しで、価格も海外各地で急上昇している。