2004年02月02日
ANのアジア地域向け輸出価格が930〜950ドルに上昇
旭化成が原料の高騰に対応して中国等の需要家を説得
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:旭化成

 中国、韓国、台湾などアジア地域の需要家向けのAN(アクリロニトリル)の輸出価格が2月1日の契約分からトン当たり約80ドル引き上げられることが決まった。アジア地域最大手のANメーカーである旭化成が、原料価格の高騰と円高の進行に対応して同地域の需要家各社に値上げの受け入れを要請してきた結果、すべてのユーザーが同意を示したことによるもの。

 これによって、同社による同地域への輸出価格はトン当たりCFR930〜950ドルに引き上げられる。昨年10〜12月期に比較すると110~120ドルのアップとなる。

 今回の旭化成の輸出価格の引き上げは、プロピレンやアンモニアの価格が内外で大幅に値上がりしてきたのに円高の進行が加わって完全な採算割れをきたしはじめたことに対処してのもの。同社では、プロピレンやアンモニアの価格は需給の逼迫に伴って今後もなお上昇すると判断しており、したがって2月後半以降の契約分については再値上げすることになる公算が強いと説明している。

 ANの需給バランスはアジアのみならず世界全体できわめてタイトな状況にあり、しかも3〜4月には各地で定修が相次ぐので一段と逼迫する見通しにある。このため価格修正は比較的スムースに市場に受け入れられていくものと見られる。