2004年02月04日
呉羽化学、「人工芝」事業から撤退も
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:クレハ

 企業体質の改善、強化を急ぐ呉羽化学工業はこのほど、採算悪化が続く人工芝、天然芝などの「芝事業」から完全撤退する方向で検討に入った。人工芝は1976(昭和51)年の発売いらい、後楽園球場(現東京ドーム)をはじめ、各地のゴルフ場などで採用され、同社にとっては話題の商品の一つだった。
 
 しかし最近は、長引く国内景気の低迷から需要が伸びず、追随メーカーの参入もあって競争が激化し、採算メリットの薄い商品となっていた。塩化ビニリデンを基材として子会社の呉羽合繊(栃木工場)が生産、2003年度の売上げ予算は約8億円だった。一方、天然芝もサッカー場の建設ブームが去っていらい需要の低迷が続き、収益改善が見込めない状況にあるという。2003年度売上げ予算は約10億円。
 
 同社では3月末にもこれらの「芝事業」から完全撤退し、高機能材料などの新規事業分野に経営資源と集中したい意向である。