2004年02月09日
中国向けポリオレフィン価格、一段と上昇
加工企業とトレーダが各国の値上げを受け入れ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 中国向けのポリオレフィンの2月下旬から3月上旬渡し価格が一段と引き上げられることが決まった。サウジアラビア、シンガポール、カタール、日本などの商社や樹脂メーカーと中国の樹脂加工企業やトレーダー等とが話し合いを進めてきた結果、サプライヤー側の要求がほぼ全面的に受け入れられたことによる。

 LDPEはCFRトン当たり(以下同)970〜980ドル、L-LDPEは910〜920ドル、HDPEは910〜930ドル、PPホモポリマーは840〜890ドルで契約されることがほぼ確定した模様。2月上旬渡し分に比べると、LDPEは70〜80ドル、L-LDPEは100〜110ドル、HDPEは100ドル前後、PP−Hは50〜70ドルそれぞれ高い。
 
 中国側がサプライヤーのオファーをほぼそのまま受け入れたのは、同国内の在庫規模が適正水準を大きく下回っていて旺盛な国内需要に対応できなくなってきていることと、石油化学製品の先行きの需給と市況に対する不安感が市場全体に急速に広がってきているためと見られる。
 
 こうした中で、同国のフィルムメーカーの中にはレジン価格の高騰に対処するため製品価格の引き上げを表明するところが出始めた。中国ではめずらしいケースだが、今後は同様の行動に出る加工企業が相次ぐのではないかとわが国の商社の多くは予想している。