2004年02月10日
PVC各社、3月の対中輸出価格も引き上げへ
多くが880〜890ドルでオファー
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:大洋塩ビ

 大洋塩ビ、信越化学などわが国の塩ビ樹脂(PVC)メーカーは、今週に入って相次いで中国の樹脂加工メーカーやトレーダー各社に対して3月の輸出の希望価格を提示した。多くのメーカーがトン当たりCFR880〜890ドルでオファーした模様。

 早ければ今週末にも中国側が回答してくると見られているが、現在のPVCの需給の逼迫度合いから判断すると今回も日本側各社の希望がそのまま通る公算が濃厚と言える。最近は数量の面で日本の対中輸出総量をしのぎつつある台湾勢も同様に3月分を再値上げしてくる見通し。

 今回も、原料の高騰と円高の進行に対応しての再値上げであり、日本側各社の要求が通ると、2月分の価格の平均を約80ドル上回ることになる。、3年ぶりの高水準となる。

 中国の加工メーカーとしては、製品価格への転嫁が容易でないのでせめて上げ幅を圧縮したところだが、当分の間PVCの需給が緩和させる可能性がないので、先ずは量の確保に徹することになりそう。