2004年02月18日
ポリオレフィン各社に加工企業からの注文が急増
値上げ不可避との観測の広がりか
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィン大手によると、先週あたりから国内の需要家筋からのポリオレフィン各樹脂に対する注文が急増しはじめた。1月の発注も活発であったが、最近はそれをさらに上回っているという。公共投資関連の品種を除くすべての品種に対して活発な引き合いと注文が寄せられており、輸入の拡大が続いているHDPEのレジ袋用のグレードに対しても供給量の拡大を要求するユーザーが増えているとされる。

 この背景については、各樹脂メーカーともまだ明確に分析できないでいる。国内の実需の盛り上がりが最大の要因と見る向きもあるが、多くのメーカーは、2月に入ってポリオレフィンの値上げ表明が相次いだことが直接の引き金になっているとの見方を強めている。つまり、今回のポリオレフィン各社の値上げの回避は不可能との判断が需要家の間に広く浸透して前倒し需要が発生してきたことが大きいとの見方である。

 こうした現象はちょうど1年前にもはっきり現れた。ポリオレフィン各社がナフサの高騰に対応すべく値上げを表明したところ多くの需要家がいっせいに前倒し発注に走り、その結果1月から3月にかけての各樹脂の出荷数量は軒並み前年を大幅に上回った。今回も同じパターンとなりつつある。見方を変えれば、ユーザーの多くが値上げやむなしとの思いに傾いているとも言える。ただし、その場合は4月以降しばらくの受注量が激減することは覚悟する必要があろう。