2004年02月19日
出光テクノ、納豆菌ベースに「ジェルプロテイン」開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:味の素、出光興産、出光テクノファイン、NEDO

 出光石油化学の子会社、出光テクノファイン(四位敏章社長)は19日、天然シルクを主原料としたプロテインパウダー技術を活かして、味の素社のポリグルタミン酸を出発原料とした、世界初のジェル状化粧品素材:架橋ポリグルタミン酸(商品名「ジェルプロテイン」)を開発したため、販売を開始したと発表した。今春大手化粧品メーカー等数社からジェルプロテイン配合の化粧品が売り出される。

 1995年九州大学農学部の原敏夫助教授によって開発された納豆樹脂(架橋ポリグルタミン酸)が出光興産に紹介されたのが研究のきっかけで、98年には新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)にプロジェクトが発足した。
 
 その後出光テクノファインが興産から事業を引き継ぎ、量産化技術や化粧品素材に特化した研究開発を行ってきた。複数の化粧品メーカーで実用評価を行った結果、優れた使用感(サラサラ感と浸透性)を特徴とするニュータイプの保湿ジェル(商品名:ジェルプロテイン)が完成した。

(1)原料が納豆菌によって生産されるポリグルタミン酸(PGA)のため、食品添加物としても認可されている極めて安全性の高い素材であること。
(2)PGAを三次元架橋し天然の高吸水性ポリマーに変化させることで、原料であるPGAが持つ保湿力を格段にアップさせたこと。一方、架橋PGAは、吸水性の高さから土中で分解される「生分解性プラスチック」としての特徴をもっていること。
(3)架橋度をコントロールすることにより「しっとり伸びるタイプ」から「サラサラタイプ」まで調整が可能なこと、などの特徴をもっている。

 キログラム当たりの販売価格は5000円、初年度(04年)1億円、06年度には3億円の売上高を見込んでいる。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/0219idemitsusekika.doc