2004年02月20日 |
鐘淵化学、藤沢薬品から「タクロリムス」塗布ステントでライセンス |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:カネカ、藤沢薬品 |
鐘淵化学と藤沢薬品の両社は20日、藤沢薬品の免疫抑制剤「タクロリムス」を塗布した冠動脈ステントを、鐘淵化学が再狭窄予防用に全世界で非独占的に開発、生産並びに販売するライセンス契約を締結したと発表した。 冠動脈閉塞や不安定狭心症の治療には現在、患者負担低減のため人工心肺装置や心停止措置を行わない低侵襲性治療が広く行われている。血管内経路の確保のために行うバルーン法による血管拡張やステント留置はその一つだが、治療後20%から40%の患者に再狭窄が見られるところから、この再狭窄を防ぐため、免疫抑制剤や抗癌剤などの薬剤を塗布したステントが世界的にも注目されている。これら薬剤塗布ステントの市場は、2005 年頃には全世界で約4,000 億円規模になると予測されている。 藤沢薬品は、「タクロリムス」を移植領域で免疫抑制剤「プログラフR」として、また、皮膚科領域ではアトピー性皮膚炎治療剤「プロトピックR」として発売。循環器領域についても、同剤をステントに塗布することにより、冠動脈の再狭窄が低減されることが想定されている。 鐘淵化学は、ライフサイエンス事業の中で、循環器、透析領域での病因物質吸着システムである「リポソーバーR」、「リクセルR」など、またカネカメディックスと連携して、循環器、脳外科領域でPTCA バルーンカテーテル等の高付加価値インターベンション製品の開発・製造・販売を展開している。 今回のステントは、鐘化独自開発のユニークなデザインを特徴としており、そのステントに「タクロリムス」を含有するポリマーを塗布し、さらに、同社の高性能デリバリー用バルーンカテーテルと組み合わせることによって、冠動脈の再狭窄の発生頻度を画期的に低減させるのが狙い。鐘淵化学は今後「タクロリムス」塗布ステントの前臨床試験、臨床試験を早期に進めるとしている。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/0220fujisawa.pdf |