2004年02月20日
VECの武田会長、PVCの当面の需給バランスを強く警戒
在庫が過小で春の定修時に品不足が深刻化と予想
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会の武田正利会長(鐘淵化学工業社長)は、20日の定例記者会見でPVC(塩ビ樹脂)の需給の現状と当面の見通しについて見解を明らかにした。この中で同会長は、現在の需給バランスについて「内外の需要が予想以上に活発なため、メーカー在庫が適正規模をかなり下回る事態となっている点が特に気になるところ」と述べ、加えて「春の定修の集中時に需給が一段と逼迫する心配がある」と当面のバランスに対して強い警戒感をもっている点を強調した。
 
 同会長の会見概要は以下の通り。
 ▽PVCの1月の出荷量は、海外からの注文が予想以上に活発であったことも作用して前年を大きく上回った。このままいけば、03年度の国内出荷の合計は146〜147万tとなろう。ほぼ前年度並みということになる。
 ▽気になるのは、内外需の活発化で1月末在庫が前年同月を2割強下回った点だ。約9万tという在庫量は明らかに適正規模を下回っている。3〜4月にはPVCメーカーの定修が集中する見通しにあり、一方の需要は中国を含め内外ともになお好調が続くと見られる。こうした中で供給責任をまっとうしていくのは決して容易でない。エチレン不足もあって4〜6月期一杯は適正な需給バランスの確保に苦労しそうだ。
 ▽現在の需要の中には値上げを控えての前倒し需要も若干あるかも知れない。しかし、レジン各社とも供給余力を持っていないので市場に過剰在庫がたまるような出荷にはなっていないはずだ。したがって、仮需の反動が出てきて出荷が再び前年を下回るといった事態になる心配はないと言える。