2004年02月23日 |
旭化成ケミカルズ、中国でMMAモノマー事業のFSを開始 |
06年中に年産10万トン設備の完成を目指す |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:旭化成、旭化成ケミカルズ、住友化学、三菱レイヨン |
旭化成ケミカルズは中国でMMAモノマーを企業化することを目的としたフィージビリティスタディー(FS)を開始した。06年中に独自の直メタ法による年産10万トン規模のプラントを建設したい意向だ。事業化に当たっては、中国で大型石油化学プロジェクトを計画している欧米資本との合弁が有力。原料イソブチレンの安定確保などがJVの目的となる。 同社は中国では、これに先駆けて来年上期中にMMA押出板の現地生産を開始する計画。設備規模は年6,000トン。MMAモノマーはその原料となるが、中国における需要はかねてから目覚しい伸びを続けており、今後も押出板だけでなく成形材料向けや透明樹脂向け等に一段と大きな伸びが予想されている。 旭化成ケミカルズでは、中国を中心としたアジア全体の06年における年間需要量を125万トンと予想している。03年を30万トン上回るとの判断である。対するアジア全域の供給能力は現在、需要量とほぼ同じ95万トンで、完全なタイトバランスとなっている。しかも今年の新増設は皆無である。 05年半ばには住友化学がシンガポールで8万トン増設。また、06年には三菱レイヨンが中国でシェルと組んで9万トン設備を立ち上げる。さらにLucite社(ICIの事業買収)が上海のBP/シノペック/上海石化のエチレンコンプレックスで同じく9万トン設備を建設する計画を進めている。旭化成ケミカルズでは、それでもなお中国では供給力が不足すると判断している。 特に導光板の需要拡大に大きな期待を寄せており、先行する押出板の設備も早急に増設することを検討している。なお、同社のMMAモノマーの現有能力は川崎工場内の直メタ法による1系列年産10万トン。ワンユニットとしては世界最大規模となっている。 |