2004年02月23日
内閣府専門調査会、帝人の再生PETボトルの安全性を評価
食品に直接接触しての使用も可能と結論
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:帝人

 内閣府食品安全委員会の下部組織である器具・容器包装専門調査会は23日に第2回会合を開催し、帝人グループによるリサイクルPETボトルの食品健康影響について意見を交わした。その結果、「帝人グループから提出された資料によって安全性を評価した範囲内では懸念される結果は認められず、既存のPETと同じ用途において食品に直接接触する容器包装として使用することは可能」との結論をまとめた。

 これは、帝人が使用済みPETボトルを同社特有の化学分解法によってDMT、PTAを経てPET樹脂に戻してもう一度飲料容器などに使用していくことが食品安全・衛生上問題がないかどうかを専門家が集まって審議した結果、問題がないと結論したもの。

 帝人グループは昨年秋に徳山に年間6万2,000トンの使用済みボトルを原料に5万トンのPET樹脂を再生できるリサイクル設備を建設して現在試運転中のところ。今回の専門調査会で安全性を認める結論が出されたことで、いよいよ世界でもめずらしいPETのボトル・to・ボトルの本格的な取り組みを開始することになる。

 今回の結論で注目されるのは、リサイクルの段階でPET以外の物質が混入して全体が汚染される心配がないかどうかについても検討した結果、「米国やドイツの政府機関によるガイダンスやガイドラインに沿って懸念材料の有無を検討したところ、問題がないことが確認できた」と判定している点だ。

 この日の結論については、食品安全委員会が26日にも会合を開いて内容を検討、異論がなければただちにパブリックコメントの募集に取り掛かることになる。