2004年02月25日
ベテラン技術者を現場に残す 安全工学協会
安全技術者継続教育と資格制度を新設
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:旭化成、ブリヂストン

 安全工学協会(会長・三浦昭氏、TEL045-641-3213)は、安全工学技術者資格制度および安全工学技術者継続教育制度を設置、16年度中にも実施する方針で作業を開始した。
 
 これは経済のグローバル化や情報化による社会の変化により一層、個人の専門性が求められ、技術者は自己責任でこの変化をのりきることが必要な時代になったため、専門能力を生涯にわたって継続的に維持向上させ、雇用に値する価値の客観的な証明も取得できる状況をつくろうとするもの。
 
 技術の分化、専門化、コンピューター化などにより技術自体がブラックボックス化しているため、ベテラン技術者を作業現場に残すことが最大の目的である。
 
 また、同時に安全工学技術者が技術を磨く環境をつくり、個人の能力を発揮することをねらって特別高度安全技術者と高度安全技術者の資格を与える制度も設置しようとしている。技術者の資格制度と継続教育制度は車の両輪といえる。将来的には初級、中級の技術者制度を整えて安全工学技術者のレベルの向上を明確にしていきたいとしている。
 
 同協会は現在、安全教育プログラムの作成、安全工学研究会の設立、安全情報センターの設置をめざしているが、継続教育制度は安全教育プログラム作成の一環である。
 
 同協会のこうした動きは一昨年から昨年にかけて続いた旭化成(延岡)、ブリヂストン(那須)などの工場爆発の原因がつかめず、これが現場のベテラン技術者が高齢化して退職し、現場がいわゆるマニュアル運転に頼ったことが事故発生につながったのではないかとの見方もではじめたことへの対応とみられている。

 当面、安全教育プログラムとしては8件を予定。具体的には(1)物質反応安全(2)プロセス、設備安全装置(3)機械(4)リスクの解析(5)防災(6)安全管理(7)環境管理(8)人間工学。