2004年02月27日
三井化学、PTAの対中輸出価格を再修正へ
3月分のCFR価格、トン770ドル目指す
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学はPTAの3月の対中輸出価格をトン当たり20ドル引き上げる方針を固め、同国の需要家各社に通告するとともに折衝を開始した。CFR同770ドルが今回の目標新価格。
 
 今回の値上げは、原料パラキシレン(PX)の3月の価格が2月比同25ドル高の同760ドルに決定したことに対応してのもの。今年に入ってから3ヶ月連続の値上げである。いずれもPXの高騰分を転嫁するためのもの。
 
 中国におけるPTAの需要は引き続き活発で、1月の輸入通関数量は50万tの大台を突破して52万tに達した。前年同月を13%上回る規模となっている。ステープルやPETボトル用の需要の急拡大が輸入の大幅増に結びついているようだ。それに対して日本やアセアン諸国などのサプライヤーは軒並みフル稼働を続けているが、それでもなお旺盛な中国の注文に応じきれないでいる。三井化学によると、このため最近の中国国内では、ステープルやPETボトル業界の間でPTAの激しい争奪戦が繰り広げられる事態になっているという。
 しかも、中国の需給逼迫度合いは今後一段と深刻になる公算が濃厚といえる。それというのも、3月から5月に欠けて日本、タイマレーシアなどアジア各地でPTAのプラントの定修が相次ぐ見通しにあるからだ。したがって、このままいくと、すでに縮小が急ピッチで進んでいるといわれる中国の需要家の間の在庫が底を打つのは時間の問題ということになる。