2004年03月02日 |
PVCの対中輸出価格、3月は880〜900ドルに |
VCMは東ソーなどが780ドルへの引き上げを狙う |
【カテゴリー】:市況 【関連企業・団体】:大洋塩ビ、東ソー |
信越化学、大洋塩ビなどPVC(塩ビ樹脂)各社が中国の樹脂加工企業との間で進めていた3月の輸出価格の交渉は、トン当たりCFR880〜900ドルとすることでまとまった。 大口需要家向けは880ドル、中口は890ドル、小口ユーザー向けは900ドルとなる。いずれも2月渡し分の価格を80ドル上回る。原料の高騰と円高の進行を背景とした日本側各社の値上げ要求が今回も受け入れられた。PVCの中国向け輸出価格の900ドル台乗せはほぼ10年ぶりのこと。 これで対中国向け輸出価格は、昨年8月の580〜590ドルをボトムに8ヶ月連続で上昇することが決まった。各種加工製品に対する中国国内の需要が着実に伸びているのに加えて、PVC製玩具や日用雑貨の対米輸出が引き続き活発に推移していることによる。 一方、VCM(塩ビモノマー)の需要も依然として旺盛で、このため東ソーなどわが国のVCMメーカーは3月分の輸出価格を780ドルに引き上げたい考え。2月分に比べると40ドル前後のアップということになる。一両日中にも中国の需要家各社に伝えて交渉を開始することになりそう。 ただし最近は、海外企業による各種化成品の相次ぐ値上げ攻勢に対して中国側のユーザーの間に強い拒否反応を示す向きが出はじめている。ダウンストリームへの転嫁が次第に困難となりつつあるためで、したがって、VCMの今回の値上げ交渉はかなり日本側に取って厳しいものになると見る向きが増えている。 |