2004年03月03日
三菱化学、事故未然防止にベテランOBを組織化
既存プラントのプロセス安全性評価、4月から
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成、ブリヂストン、三菱化学

 三菱化学は工場設備の保安と安全を徹底するため1985年に導入したセーフティ アセスメントに加え第三者の参加するセーフティ レビュー(SR、既存プラントのプロセス安全性評価)を4月から実行することになった。

 同社は昨年10月から従来(1999年)のSRを発展させSR専門チームを編成、SRをより効果的に行うには事故・トラブルの未然防止のために継続性、網羅性に加えて第三者の視点が必要との考えで、組織やSR指導員の任務などの規定を作成していた。

 同社は1985年にプラント新設・改造時の安全性を評価するためセーフティ アセスメント(SA)を導入したが、最近ではプラント新設・改造の機会が減り保安と安全に関する技術部門の経験者の育成が課題となっていた。
 
 いわば未然に事故を防止する要因の確保がむづかしくなって、OBやシニアエンジニアを「プラントご意見番」として組織的に保持することが必要となったわけである。昨年、旭化成の延岡工場、ブリヂストンの那須工場の爆発、火災が続いたことも、ベテランの必要性を認識させる結果となった。
 
 同社は黒崎、四日市、水島、鹿島に事業所があり、各事業所にOB2人を含めSR指導員を選定している。運営には本社のプロセス安全室長が当たる。SR指導員の任務は(1)潜在危険要因の発掘、摘出、危険リスク低減を支援する(2)高度な検討が必要な場合に広く社内外の専門家を活用する(3)定期的な情報交換を行いベストプラクティスを活用する(4)グループ会社へも協力する—など。