2004年03月03日
三井化学、エラストマーも3月15日から値上げへ
国内向けはキロ10〜20円、輸出価格はトン150〜200ドル引き上げ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は3日、同社が手がけているエラストマーの価格を全品種にわたって3月15日出荷分から引き上げると発表した。

 対象は、エチレンプロピレンターポリマー「三井EPT」、オレフィン系熱可塑性エラストマー「ミラストマー」、α-オレフィンコポリマー「タフマー」、接着性ポリオレフィン「アドマー」、ポリブテン-1「ビューロン」--の計5種。

 上げ幅は、品種や取引数量の多寡などによって異なり、国内向けはキログラム当たり10〜20円。海外向けはトン当たり150~200ドルとする考え。このうちのEPTは昨年3月いらいの、他の4品目は00年3月以来の値上げとなる。

 同社は、これらエラストマーをかねてから日、米、欧、東南アジア、中国等々の世界の主要消費地で製造・販売してきており、現在の国内と海外の売り上げ比率はちょうど50%ずつとなっている。5品目の中には、世界最大の販売シェアを確保しているものが少なくない。需要は、自動車や包装材料関係を中心に着実に伸びており、このためどの地域のプラントも稼働率が順調にアップ、需給は全体にタイトな状況にあるという。

 しかし最近のナフサの高騰と円安の進行で採算は急速に悪化しており、このまま放置しておくと安定供給を維持できなくなることがはっきりしてきたことから、逆ザヤ解消のためこのため急遽、内外の価格是正に踏み切ることにしたもの。