2004年03月05日
有機ELを塗布した光るポスター 山形大、大日本印刷などが発表会
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:大日本印刷、デュポン

 次世代ディスプレイ(表示装置)や光源としての需要が見込まれている有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)を利用した光るポスターの展示、発表会が4日、山形市深町で行われた。

 これは山形大学の城戸淳二教授が開発中の有機ELパネルを山形新幹線つばさ車内で実演したもので、今後、研究を重ねて発光素子を印刷機で広範囲に塗布できるよう技術改良し、コストも大幅に引き下げたいと語った。

 有機ELは現在、携帯電話の表示用などに利用されはじめているが、液晶と異なり自発光するため、ポスターや衣服、雑誌など薄くてフリキシブルな製品への応用も期待され、米国デュポン社などが開発に力を入れている。

 今回発表されたポスターはB3判の図柄4枚、厚さ1ミリのガラス板で表示された。発光素子は約400ナノ(1ナノは10億分の1メートル)で極めて薄く塗布されている。電池を含むパネル全体の厚さは5センチ。量産すれば1枚数百円でつくれる見通し。
 
 ポスターはガラス板にこだわらず、将来、プラスチック板も利用する考えである。今回のパネルは同大研究室と大日本印刷などが、経産省の研究委託を受けて開発した。