2004年03月08日
米デュポンとトヨタ、ナイロン製部品のリサイクル実用化にめど
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:デュポン、トヨタ自動車

 米国デュポンのエンジニアリング ポリマー事業本部とトヨタ自動車は8日(米国時間)、自動車のインテークマニホルド(吸気多岐管)に使われているナイロン6を回収、再利用する技術の共同研究を行い、デュポン・コンポジットリサイクル技術が技術的、環境的に実用可能であることを実証したと発表した。この結果は、近くジュネーブで開催される国際自動車リサイクリング会議で発表される。

 同研究は、トヨタからも『トヨタリサイクルビジョン』の目標を達成する上で非常に重要と期待されている。2015年までに自動車のリサイクル実効率95%の達成と、樹脂部品の20%を再生可能資源またはリサイクル材料を使用するという、トヨタの目標実現に向けて、今後さらに開発を進めていく方針。

 循環型のナイロン・リサイクル・プロセスであるデュポン・コンポジットリサイクル技術は、ガラスまたは鉱物を含むナイロン6もしくは66製の部品をバージン材料の部品と基本的に同等の樹脂に変換することができる。リサイクルでは、まず使用済みのポリアミドを分解し、汚染物質や添加剤を取り除く。再生したポリアミドの分子量は、最終用途に合わせてどのようなレベルにも調整することができる。

 この研究では、デュポン・コンポジットリサイクル技術について最終用途試験、環境に対する総負荷を測るライフサイクル分析、将来の開発活動の焦点を絞る上で助けとなる経済シナリオという持続可能性の3つの側面から分析を行った。

 また両社は、一方はバージン材料のナイロン6で製造した合成樹脂、一方は100%リサイクル原料のナイロン6を含む合成樹脂を使用した同型のインテークマニホルドについて試験を実施、もれ、破裂、破壊に関する最終用途試験の結果、リサイクル原料を使用した部品も規格内に収まっていることを証明した。

 エネルギー利用と二酸化炭素排出量に関するライフサイクル分析では、コンポジットリサイクル技術が環境に与える負荷は、バージン材料を使用するプロセスより低いことがわかった。経済性の比較は、回収、分解、原材料の分離、加工というリサイクルに伴うすべての段階を考慮に入れて行ったとしている。

ニュースリリース参照 
http://www.chem-t.com/cgi-bin/fax/search.cgi?CODE=1914