2004年03月16日
SMの出荷、2月も前年同月の14%増と好調
PSはイラク戦争前の仮需の反動で前年割れに
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会が16日に集計したところによると、SM(スチレンモノマー)の2月の総出荷数量は29万2,951tで前年同月を14%上回った。1月の16%増に続く高い伸びである。
 
 うち国内向けは17万5,955tで前年同月を4%上回っている。EPS、合成ゴム、ABS樹脂などの誘導品メーカーの多くが引き続き活発な生産活動を維持したことと、メーンのPS向けの需要が前年並みのレベルに戻ったことによるもの。
 輸出はこれまで以上に活発で、同34%増の11万6,996tとなった。中国をはじめとしたアジア地域全体の需要が、PS、EPS、ABSなどいずれの分野でも引き続き好調であったことによる。
 生産量は29万5,431tで前年同月を18%上回った。大幅増となったのは、3〜5月に集中する定修(合計7プラント)に備えて在庫の確保に乗り出すところが多かったためと見られている。この結果、月末在庫は9万4,834tで前年同月を12%上回ったが、今後の定修のを考慮すると過剰ではないというのがSM業界筋の判断である。
 
 一方、PS(ポリスチレン)の2月の総出荷量は7万5,436tで前年同月を14%下回った。うち国内向けは7万2,681tで同10%減となっている。この要因について同工業会では、昨年2月に発生したイラク戦争直前の前倒し需要の反動ではないかと分析している。輸出は2,755tで、依然として極端な低水準に張り付いている。前年同月を64%下回っている。各社が採算を重視して選別輸出に徹しているためと見られる。
 生産量は8万3,405tで前年同月の2%増となった。この結果月末在庫は10万9,046tで、前年同月を29%上回る規模に拡大した。しかし、3〜5月に合計7基のPSプラントが定修のため運休するので、むしろ少ないと見る向きさえある。