2004年03月19日
VCMの中国向け輸出価格、3月分はわずかの値上げに
750〜760ドルの高水準を維持するも中国側の反発強まる
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:東ソー

 VCM(塩ビモノマー)の最大手メーカーである東ソーはかねて中国のVCMの需要家ならびにトレーダー筋と3月分の輸出価格交渉を進めてきたが、18日までにほぼ決着した。トン当たりのCFR価格を750〜760ドルとすることでほとんどの交渉相手と合意した模様。2月分を同10〜15ドル上回るレベルへの引き上げにとどまったことになる。最近ではめずらしい小幅の値上げである。
 
 東ソーなどわが国のVCMメーカーによる対中輸出価格は、昨年7月の480〜490ドルをボトムに今年2月まで7ヶ月連続して上昇してきた。これは、VCM各社が出発原料ナフサの高騰に伴うコストアップ分を製品価格に転嫁すべく中国のバイヤー各社を毎月必死に説得し続けてきたことによるもの。
 そして3月分についても、採算維持のために引き続き値上げが不可欠として同770ドルを目標に交渉を続けてきたが、今回は目標を若干下回るレベルでの決着となった。これは、中国国内のPVCメーカーなど需要家の多くが製品価格への転嫁が困難だとして相次ぐ値上げに強い拒否反応を示し始めたことによるもの。今回の決着で、VCMの対中輸出価格は一応8ヶ月連続
の引き上げが決まったわけだが、上げ幅がこれまでになく小さいので採算の改善に対する寄与度は少ないとしている。