2004年03月22日
ポリオレフィンの対中輸出商談が停滞
中国側が値上げに反発、日本側も妥協せず
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィンの輸出価格の引き上げを巡って日本側と中国側が激しく対立、商談が停滞するケースが相次いで出始めた。これは、日本のポリオレフィンメーカーや商社がナフサの続騰を理由に中国向けの輸出価格を3月分も引き続き値上げするほかないとしているのに対して、中国の樹脂加工企業やトレーダーがこれ以上の値上げを受け入れる余地がないとして強く反発しているもの。
 
 双方ともに譲歩する気配を見せておらず、3月分の商談の多くは完全に膠着状態に陥っていると述べる商社が少なくない。ナフサ価格が上昇に転じていらい、それに連動するかたちで毎月底上げされてきたポリオレフィンの中国向け輸出価格だが、ここにきて大きな壁に突き当たった感じである。
 もっとも、わが国の商社やポリオレフィンメーカーの中には、中国側が最近になって値上げを強く拒否しはじめた最大の要因は中国の多数の需要家がこれまでの積極的な輸入によって当分の手当てが不要といえる十分な在庫を確保し終えたことにあると分析する向きが多い。このため最近は日本側各社とも交渉の早期決着を目指すのは得策でないと判断、中国国内の在庫調整が完了するのを待つ戦略をとり始めている。商社の多くは、3月末ごろには再び活発な引き合いが寄せられるようになると予想している。