2004年03月22日
南京市のエチレン増設、本年末に完成
国レベルの4開発区など、日本企業の参加要請
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:BASF、シャープ、東芝、富士通、三菱商事

 南京市の蒋宏坤市長を団長とする訪日代表団が来日、先週、東京で投資環境説明会を開いた。同市長は「グローバル化とともに南京は長江デルタの中心都市として、化学、自動車、鉄、エネルギー、電機の5つの産業発展に力を入れている。一流の環境、サービスを心がけている。合作(合弁)を進めて日本企業を誘致して行きたい」と投資の歓迎を表明した。南京は現在、9つの省レベルの経済開発区を建設、拡充している。うち4つは国家レベルの開発区である。
 
 その一つは南京ハイテク開発区で、これは1988年から建設に着手した。市の中心から北側に車で約15分、第1、第2の大橋がある。情報ソフト、IT、製薬など200社を超える企業が進出している。またこの地区のソフトウェアパークには台湾はじめ40社がでて南京シリコンバレーと呼ばれている。
 
 次は経済技術開発区で1992年にスタート。南京港に近く液晶などの電子関係や製薬、機械などの産業が中心。韓国のLTや台湾のハッサン、米国企業などが活躍している。2.5平方キロメートルの輸出加工区や大学10数校がある。
 
 第3に江寧経済開発区がある。南側で市まで車で15分。南京空港まで18キロメートル。開発地域が139平方キロメートルと広く、うち70平方キロメートルが完成している。世界21カ国から自動車、電機、食品など2000社(投資額35億ドル)が進出している。

 第4に南京ケミカルパーク。市内まで30キロメートル。上海とともに大型石油化学センターで知られる。南京化学工業公司と独・BASFの合弁会社で目下30億ドルを投入し、センターの増設(エチレン年産60万トンを100万トンに)を行っている。年内に完成、来年3月には操業を始める予定。現在の用地45平方キロメートルは100平方キロメートルまで拡充できる。

 5つは製薬などの浦口、機械、電子、製薬の6号開発区、ワゴン、トラック車躍進グループの栗水開発区、電子、照明の三楽グループ開発区(伊フィアット車の乗用車年産15万台の工場も)。自動車の生産について市では「昨年10万台。2010年に800万〜1,000万台を目指す」としている。

 同市は特にケミカル部門に力を入れ、ケミカルパークにはガラス、セメント、酸化チタン、化学機械、鉱山機械、建築資材などの企業118社が進出している。就業者は約6万9,000人。

 日本から南京への投資は390社、7億9,000万ドルに及ぶ。大手では伊藤忠、三菱商事、東芝、太平洋セメント、シャープ、富士通、日商岩井など20社。

 同市は江蘇省の首都で11の区と2つの県を持つ。面積約6,597平方キロメートル。人口640万人。GDPは1,576億元(1元は15円)。中国での経済競争力順位は6番目。北京、西安と並ぶ歴史(2470年)を持つ。別名、「金陵」と呼ばれる。大学48校、研究所は600を数える。古くは宋、明など中国の10王朝が同市に都を置いた。孫文の墓がある。名古屋市との友好都市。(問い合わせは国貿促、東京03-3506-8275)