2004年03月22日
経産省、化学物質の有害性評価の優先順位を見直し
神経毒性や免疫毒性についても試験法の開発等を推進へ
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:経済産業省

 経済産業省製造産業局は化学物質の有害性評価の優先順位を見直す必要があると判断、具体的な施策の検討に乗り出した。
 
 これは、これまで進めてきた内分泌かく乱作用に重点を置いた有害性評価と安全性管理の施策ではこれからの社会ニーズに十分対応していけないと判断したことによるもの。
 先ずは生殖発生毒性をはじめとする一般的な有害性全体についてきちんと評価していくことが大切で、ついては、神経毒性や免疫毒性に関しても国際的な動向を把握しつつ評価とスクリーニング試験法の開発などに取り組んでいくことが必要との考えが大勢を占めるに至っている。経産大臣の諮問機関の一つである「化学物質審議会」の下部組織の管理・審査部会を構成する化学物資の安全性に関する専門家の多くも同様の見解を示している。
 これには、過去数年にわたる世界各国の関係行政機関や専門家による入念な調査・研究の結果、化学物質による内分泌かく乱作用が当初懸念されていたほどのものではないとの見方が有力となってきつつある点も少なからず作用しているのではないかと見られる。