2004年03月24日
PSの値上げ交渉も決着、樹脂各社の要求が通る
ユーザーの中には“ナフサ・スライド制”に同意も
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:PSジャパン、東洋スチレン

 PSジャパンや東洋スチレンなどPS(ポリスチレン)メーカー各社が各需要家と進めていた同樹脂の価格修正交渉がほぼ全て決着した。PVCやポリオレフィンと同様に、上げ幅については樹脂各社の要求がおおむね需要家各社に受け入れられた模様。キログラム当たり10円の値上げとなる。実施時期は若干ずれ込みそう。ただし、いずれも3月中には新価格に切り替えられる見通し。
 
 今回のPSの値上げは、1〜3月期のナフサ価格が前期に比べてキロリットル4,000円上がって2万8,000円へと急騰する見込みとなってきたことに対応してのもの。PSメーカーは、これに伴うPSのコストアップ分のキログラム8円と、これまでの原料アップ分の未転嫁額の同2円の合計10円の引き上げの了承をユーザー各社に求めてきた結果、同意を得ることができたというわけ。
 注目されるのは、今回の交渉に当たって同樹脂メーカー側が“四半期単位のナフサ価格スライド制”への移行も強く働きかけてきたのに対して多くのユーザーがこれまでにない強い関心を示した点だ。PSメーカーの中には、一部の大手ユーザーとすでに4〜6月分について契約書を取り交わしたところもある。基本的な同意を表明する需要家はかなりの数にのぼっているという。このままいくと、海外ではごく普通の価格決定システムとして定着しているナフサ・スライド制がわが国の汎用樹脂の取り引きの世界でも急速に普及していくことになりそう。