2004年03月25日 |
栄研化学、鳥インフルエンザウイルスの検出試薬開発 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:栄研化学 |
栄研化学(本社:東京都文京区)は25日、独自の遺伝子増幅法『LAMP法』を利用した高病原性鳥インフルエンザ検出試薬について、国立感染症研究所(ウイルス第3部インフルエンザウイルス室・小田切孝人室長)と共同で研究開発を行い、高感度で特異性の高いワンステップ簡易測定系(H5-LAMP法)の基礎開発に成功したと発表した。 基礎研究段階だが、H5 亜型のみを約30分で濁度測定、もしくは紫外線照射により発生する蛍光の目視観察により検出が可能。現在、国立感染症研究所が実施しているRT-PCR 法と比較して、本冬に分離されたH5亜型に関して、50倍から500倍の検出感度を示した。 また、現在使用されているインフルエンザウイルス簡易迅速診断キットは、A型インフルエンザであるという判定しかできないが、H5-LAMP 法は鳥インフルエンザウイルス粒子表面のヘマグルチニン(HA)タンパクの15の亜型(H1〜H15)のうち、H5 亜型のみを検出し、特異性にも優れている。 鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染は、1997 年に香港で初めて発生し、H5N1 型が18人のヒトに重症呼吸器疾患を引き起こし、6人が死亡した。最近では、本年1月にベトナムおよびタイで、H5N1型による感染が確認され、ベトナムで16人、タイで8人の死亡が報告されている。しかし簡便で迅速な診断法がなく、その開発が緊急課題になっている。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/0326eiken.pdf |