2004年03月26日
三井化学、中国向けPTAの輸出価格をさらに引き上げへ
原料パラキシレンの続騰に対応
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学はPTAの中国向け輸出価格を4月分も引き続き底上げする方針を固め、同国の需要家各社に説明するとともに説得を開始した。

 上げ幅はトン当たり5ドルとする考え。CFR775ドルを目標としていく。今回の値上げもこれまで同様に原料のパラキシレンの価格の引き上げに対処してのもの。PXの4月の価格は、3月よりさらに5ドル高いトン765ドルに引き上げられることになっているので、これに伴うコストアップ分と重油の高騰分を合わせて製品の輸出価格に転嫁していくことにした。

 ただし、これに対する中国の需要家の現時点の反応はきわめて厳しいという。ボトル用樹脂の需要は引き続き活発に推移しているが、肝心の繊維分野が不振で末端市場にPTAの価格アップ分を簡単に転嫁していける状況にないためだ。

 とは言え、三井化学もこのままでは原料高によって採算を維持していけなくなるのが自明なので、粘り強く説得を続けていくほかないとしている。なお、中国のPTAの輸入は1月が52万1,000t(昨年1月は46万2,000t)、2月が43万1,000t(昨年2月は32万1,000t)と今年に入ってもなお高水準を続けている。