2004年04月05日
PVCの4月の対中輸出価格、3月渡し分の10ドル安に
8ヶ月ぶりに小反落、中国国内相場の軟化が影響
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:大洋塩ビ

 大洋塩ビ、信越化学、鐘淵化学工業など塩ビ樹脂(PVC)各社が中国の需要家ならびにトレーダー筋と進めていた同樹脂の4月渡し分の価格交渉がまとまった。CFRトン当たり880ドル前後とすることで大方が合意した模様。3月渡し分の価格を同10ドル前後下回ることになる。
 
 PVCの中国向け価格は、昨年8月の同580〜590ドルをボトムに毎月底上げされてきた。同樹脂各社による原料高騰分の製品価格への転嫁を中国側がしぶしぶ容認してきたことによるもの。同樹脂の需給バランスがアジア地域全体に引き締まってきたことが日本側各社にさいわいしてきたと言える。
 それが今回、8ヶ月ぶりに小幅ながらも反落となったのは、同国内のPVC加工企業各社の買い控えによって国産PVCの価格が10%強も下落したためと見られている。同国内の加工企業の多くは、これまでのレジンの高騰によって加工製品の対米輸出の採算を大きく圧迫されていて、3月以降はいっせいに原料を買い控えて操短に踏み切っている。今後もしばらくこうした状態が続く見通しにあり、5月分のPVCの輸出価格交渉も楽観は許されない。