2004年04月05日
SMひっ迫でアジア市況900ドルに、旭化成は今週再開
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:旭化成、旭化成ケミカルズ、新日鐵化学

 SM(スチレンモノマー)の国際市況がアジア市場を中心に高騰を続けているが、日本では旭化成に続いて出光石油化学、新日鉄化学とメーカー各社が相次いで定修に入っており、旭化成は間もなく再開するものの、タイト状態はまだ解消しそうにないようだ。
 
 旭化成(旭化成ケミカルズ)は水島に年産33万トンの新プラントを完成し、既存の2系列(15万トンと30万トン)と合せて78万トン能力としたが、新設33万トンの再開は4月10日の予定。また15万トン設備は同8日、30万トン設備は同19日再開の予定となっている。
 
 大分に2プラント計43万トン設備をもつ新日鐵化学は、うち19万トン設備が2月18日から4月13日までの予定ですでに定修実施中。もう一基24万トン設備も4月2日から29日までの日程で定修に入った。
 
 出光石油化学は、千葉工場の21万トン設備が3月20日から定修中で、再開は4月14日になる。徳山の2系列12万トンと22万トンも、9月中旬実施の予定だ。一時的とはいえ、現在メーカー3社合せて年産142万トンのプラントが停止していることになる。
 
 商社筋によると、SMは中国の活発な引き合いからアジア市場を中心にタイト状態が続き、市況も3月末のトン当りFOB860ドル前後から、4月に入った先週末には900ドルに乗った。「これ以上あがると、PSやABS樹脂メーカーは生産調整に入るのではないかといった観測も出始めている」と大手商社ではいっており、900ドルは「天井」という見方が強いが、原料ナフサ価格やベンゼンの市況動向にもよるわけで、先行きの見通しはなおつかみにくいというのが実情のようだ。