2004年04月07日
ベンゼンの価格が米国で急騰、スポットは800ドルに
BP・テキサスのアロマプラントの火災が上昇を加速
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:エクソンモービル

 わが国の大手商社ならびにベンゼンユーザー筋によると、米国におけるベンゼンの価格が急騰してきた。
 
 4月のコントラクト価格は、エクソンモービルなどサプライヤー各社が3月比ガロン当たり35セントの値上げを通告してノバコア、スターリング、スノコ、イネオスなど需要家各社の抵抗を押し切ったため同235セント(トン当たり約700ドル)という異例の高値に引き上げられており、またスポット価格は今週に入って同295セント(同約880ドル)に跳ね上がっている。
 CPの高騰は、ベンゼンの需要の全世界的な拡大に伴って欧州や韓国などからの輸入が減少してきたことと、米国内のアロマメーカーの定修の集中によって供給力が縮小してきたことが重なって需給が著しく逼迫してきたせい。米国のCPは1月から4月までに63.5セントも上がったことになる。率にして37%のアップとなる。
 
 これに加えてスポット価格が一段高となってきたのは、3月30日にBPケミカル・テキサスのアロマプラントが火災事故を起こし、さらに4月1日に同じテキサスのエクソンモービルのナフサクラッカーの脱硫装置からも出火するなどで当面の同国内の需給逼迫に一層拍車がかかる公算が濃厚となってきたため。
 
 こうした米国のベンゼン価格の急騰によってSMメーカーやフェノールメーカーは採算面で重大な危機に直面、相次いで価格修正を打ち出す傾向にある。アジア地域でも日本を含めて同様の動きがはじまろう。