2004年04月08日
積水化成品、有機微粒子ポリマー設備を増強へ
05年上期に現在の1.75倍の能力に拡大
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:積水化成品工業

 積水化成品工業は7日、有機微粒子ポリマー「テクポリマー」の設備の増強を実施すると発表した。
 現在同社は滋賀工場内に年産800t能力の設備を保有しているが、05年上期に1,400t能力に拡大する計画。1.75倍に増えることになる。投資額は約9億円となる見込み。
 
 「テクポリマー」は、スチレンやメタクリル酸メチルなどの各種疎水性ビニルモノマーをベースに同社が独自の重合技術によって1986年いらい製造・販売を続けている真球状を主体とする直径3〜100マイクロメートルの有機微粒子ポリマー。各種の樹脂に添加して光拡散性を任意に調整できるため大型テレビのスクリーンや液晶ディスプレーの光拡散剤として人気を集めている。
 またこのほか(1)微粒子の流動性、分散性、滑り性に優れるので塗料やインクに添加して艶消し効果や表面のデザイン性の向上が図れる(2)化粧品にも使用すると優れた触感や滑り性さらには吸着性を付与でき、また光散乱性能の発揮によってソフトフォーカス効果も得られる(3)各種フィルムの光の反射低減、ブロッキング性の低減、スリップ特性の付与等によってフィルムの生産上のネックの解消と必要な特性の向上が図れる(4)ポリマー微粒子の表面に官能基を付与することで各種バインダーとの親和性を向上させるなり様々な表面処理を施すなりといったことが可能--等々の特徴も備えているため、市場が急速に広がっているという。
 同社では、そうした新しい市場ニーズにより的確に対応していくため、従来の「MBXシリーズ」や「SBXシリーズ」に加えて非真球状微粒子「LMXシリーズ」もラインアップしている。また、軟質、多孔質、中空等の形状や性状の異なる微粒子も順次開発し上市しつつある。
 
 現在の売上げ規模は年21億円。04年の目標は27億円。06年には35億円を目指す。