2004年04月14日
亜・中東のポリオレフィンの今年の増設は小規模
ネームプレートでの拡大率は6%前後の見通し
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:経済産業省

 大手商社ならびにポリオレフィンメ−カー筋の調べによると、アジアならびに中東で年内に新・増設されるポリオレフィンの設備規模は、ポリエチレンで151万t、ポリプロピレンで105万tとなる見通しが濃厚となってきた。現有能力に対する増加率は、PEが5.5〜5.9%、PPが6.3%ということになる。需給バランスは引き続きタイトな状況が続くことになりそう。
 
 今年中に完成して稼動すると見られているPE設備は、サウジアラビアのペトロケムヤとJUPCによるそれぞれ年産40万t(基礎設計は45万tと見られている)能力のL-LDPE/HDPEスイングプラント、タイ・NPCの25万tのHDPE装置、イラン・AKPCの30万tのスイングプラント、中国・斉魯石油化工の6万tのL-LDPE設備--の5系列合計141万t(同151万t)。
 経済産業省製造産業局の調べでは、03年末のアジア・中東地域におけるPEの総生産能力は2,579万tとなっている。これに141万tが加わった場合の拡大率は5.5%であり、151万tの場合で5.9%ということになる。
 一方のPPの新・増設プラントは、台湾・FCFCの18万t、サウジアラビア・NICの45万t、イラン・NAVIDZARECHEMIの16万tとREGARの6万t、中国・鎮海煉油化工の20万t--の5基トータル105万tとなる見込みである。03年末のアジア・中東の総設備能力は1,667万tであったと見られているので、計画通りに新・増設が実施された場合の拡大率は6.3%ということになる。
 最近の需要の伸びに対比すると極めて小幅といえる。しかも、それぞれの設備が稼動を開始する時期は春先から秋口までまちまちである。つまり、ネームプレートの拡大率と実際の増産率との間にはかなりの乖離が生じる見通しであり、このためこれらアジア全域におけるポリオレフィン全体の今年の需給バランスは一段とタイトになるというのが大手商社やポリオレフィンメーカーに共通した見方となっている。