2004年04月16日
帝人コードレ、環境対応型人工皮革を開発
05年7月から商品名「ロエル〓」で販売
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:帝人

 帝人コードレは15日、限りなく天然皮革に近い肌触りを持つ環境対応型の人工皮革の開発に成功したので商品名「ロエル〓」で企業化することになったと発表した。
 
 今回同社が開発に成功したのは、同社が2000年から企業化してきた特殊ポリウレタン使用の人工皮革「ロエル」の改良タイプと言えるもの。極細繊維を使用することで天然皮革(子牛皮)に匹敵するソフトな風合いを実現している点と、製造工程に有機溶剤を一切使用しないので環境に優しい点とが大きな強みという。
 同社では主な特徴として以下の3点が挙げられると説明している。すなわち(1)肌触りが限りなく天然皮革に近いこと=表皮、内面ともに天然皮革に酷似した構造を持つため折り曲げた際の表皮膜のシワが目立たず、また、従来の本皮タイプの人工皮革に比べて加工がしやすく、かつ最終製品の着用感がすぐれている(2)耐久強度に優れる=繊維の緻密な構造に加え、表面に多孔質層を設けることで耐久性が各段に向上し、表皮が磨耗しにくく、またはがれにくくもなった(3)環境に優しいこと=製造工程で有機溶剤を使用しないので排出されるのが原料由来の有機溶剤のみであって、排出量が従来の製法の10分の1と少ない。また、有機溶剤の回収が不要なので製造単位面積当たりのCO2の排出量が従来の製法の3分の1になる。
 
 工業化に当たっては、04年12月までに広島県の三原工場内に紡糸からポリウレタン成型までの一貫製造工程1系列を、そして島根県太田市の島根工場内に表皮仕上げ設備1系列をそれぞれ設置し、05年4月から生産を開始する計画。設備投資額は約30億円の見通し。
 販売開始時期は05年7月。販売価格(ユーザー入り価格)は、1平方メートル1,500〜2,500円。販売目標数量は、05年度が120万平方メートル、06年度が340万平方メートル。主な用途としては、スポーツ用品(シューズ、ボール)、衣類、家具シート、車輌関連製品、靴、鞄、雑貨などが挙げられるという。