2004年04月21日
トクヤマ、台湾OSC社と湿式シリカ事業で提携、アジア展開強化
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:トクヤマ

 トクヤマは21日、台湾のOriental Silicas Corp(オリエンタルシリカ=OSC)と湿式シリカ事業の提携について、(1)トクヤマは04年5月31日付でOSC株式の20%を取得する(2)両社のタイにおける湿式シリカ事業を統合し、強化・拡大を図るなどの点で合意したと発表した。

 (1)04年5月31日付でOSCの子会社であるSiam Silica Co.,Ltd.(タイ、サイアムシリカ=SSC)を株式交換により、トクヤマの子会社であるPornpat Chemicals Co.,Ltd.(タイ、ポーンパットケミカル、以下PCC)の100%子会社とする。

 (2)(1)にあわせ、OSCはPCC株の48%を取得し、同時にPCCの社名をTokuyama Siam Silica Co.,Ltd.(タイ、トクヤマサイアムシリカ=TSS)と改称する。(トクヤマの出資比率は52%となる)

(3)05年1月を目処にSSCはTSSに営業譲渡する。その後、SSCは解散の予定。

 今回の提携は、成長するアジアの湿式シリカ市場への積極的展開を両社の基本戦略として、OSCの広域なアジア展開を背景に、PCCの事業強化及びアジア進出を加速していきたいトクヤマの戦略と、トクヤマのブランド力・技術開発力によって、高付加価値品への展開を目指すOSCの戦略が一致して実現した。

 湿式シリカは別名「ホワイトカーボン」と呼ばれ、主に合成・天然ゴムやシリコーン樹脂の充填剤、吸着担体などとして使用される。履物やタイヤ用途を中心にアジア圏内で約35万トンの需要があり、最近の中国向け需要の高まりとともに、年5〜10%程度の成長が見込まれる。

 トクヤマは現在徳山製造所(山口県周南市)とPCCを合わせて、3.2万トン/年の生産能力を持つ。一方、OSCは台湾工場のほか、タイ(SSC)、中国子会社2社(江蘇省連雲港、江西省南昌)合わせて7.3万トン/年の生産能力を持っている。トクヤマ、OSC両グループ合計で10.5万トン/年となり、アジアで最大の湿式シリカ事業グループとなる。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/0421tokuyama.doc