2004年04月21日
豊田合成、青色発光ダイオードの生産を08年度をメドに約4倍増強
佐賀県武雄市に第2工場、日亜化学を急追 月6.4億個へ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:豊田合成、日亜化学

 豊田合成は20日、佐賀県武雄市にLED(青色発光ダイオード)の新工場を建設すると発表した。計画では愛知県中島郡平和町にある工場の生産能力が近い将来、不足する見通しにあるため、生産拠点を2か所ににすることによって地震などによるリスクを回避するねらいで、豊田合成九州の用地を活用、2005年5月までに月産2,900万個(チップ換算)の設備を建設することにした。
 
 同社は平和町工場の設備を9月までに月産1億2,000万個から2億2,000万個に増強する工事を進めている。武雄工場は2005年度に1億3,000万個、2006年度に2億個(7.6倍)に、さらに2008年度に4億4,000万個に拡充する計画であり、これらが完成すると平和町工場と合わせ6億4,000万個体制となる。売り上げでは03年度見込みの300億円に対し08年度には1,200億円になると見込んでいる。投資額は04年度が16億円、05、06年度が各70億円。
 
 青色発光ダイオードの国内市場は昨年の1,800億円から08年度には4,000億円近い規模になるとの見方もある。目下、トップの日亜化学が圧倒的なシェアを持つが、豊田合成の追い上げが注目される。
 
 青色発光ダイオードは赤色、緑色とあわせて白色になるが、携帯電話端末のバックライト光源をはじめ、交通信号機、音響・映像機器、アミューズメント機器などの証明用に伸びている。今後はパソコンやカーナビのバックライト、けい光灯に変る照明器具としての活用が期待されている。豊田合成はチップだけの生産から、光源としての完成品まで手がける意向を示している。