2004年04月30日
三菱化学もSMの価格を再修正へ
5月1日からの国内向けを1Q比13円高に
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:旭化成、旭化成ケミカルズ、三菱化学

 三菱化学は28日、スチレンモノマー(SM)の国内価格を再修正すると発表した。5月1日出荷分から第1・四半期比でキログラム13円引き上げる。
 
 今回のSMの値上げ表明は2月に続く今年2回目のもの。前回の修正と同様に、原料価格の続騰に伴う採算割れの回避が目的。
 同社では、特に影響が大きいのはベンゼン価格の上昇という。指標となる米国のベンゼンの4月のコントラクトプライスが第1・四半期比24%上がってガロン当たり235セントとなり、しかも5〜6月も高水準が続く見通しにあるからだ。また国産ナフサの第2・四半期の価格も、第1・四半期に続いて1キロリットル当たり2万8,000円前後と高止まりとなる公算が極めて濃厚と同社では判断している。
 
 一方、SMの最近の需給バランスは、需要が中国を中心に世界全体で活発化しているのに対して供給能力が定修の集中で縮小しているため一段と逼迫の度合いを強めている。これに伴いアジア地域の相場も底上げが進み、直近のCFR価格はトン当たり900ドルを超える高水準に達している。今回の値上げは、こうした事業環境の変化に対応して採算の改善を図ろうとの考えから打ち出されたもの。旭化成ケミカルズも5月からの値上げを表明している。