2001年11月14日
大日本インキ、ライヒの接着剤事業を売却へ
“選択と集中”の一環、年内にフォーボ社と契約
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:大日本インキ化学工業

 大日本インキ化学工業は14日、全額出資会社の米・ライヒホールド社が欧米および中国で企業家している「Swift」ブランド製品を含む接着剤の事業をスイスのスペシャリティケミカル企業のフォーボ社に売却する方向で交渉を進めており、今年末までに最終契約を締結する予定にあることを発表した。
 
 同社によると、現在の接着剤の市場規模は世界全体で約220億ドルに達しているが、最近はグローバル規模での企業の統合・再編が進み、数社の大手化学企業と多数のニッチ企業とに業界が集約されつつある。
 こうした中におけるライヒホールドの接着剤事業の規模は年間売上が2億5,000万ドルにすぎず、それでいて従業員は700人の多くを数える。
 一方、最近の大日本インキ化学工業は、“選択と集中”の観点からグループ全体の事業の見直しを進めており、ライヒホールドについても、コア事業の強化を強く推進するとともにノンコア事業の売却を検討してきた。その結果、接着剤事業をフォーボ社に売却して、コンポジット事業とコーティング事業にエネルギーを集中するのがライヒホールドに取ってベターとの結論に達したもの。
 
 これによってライヒホールドは、不飽和ポリエステル樹脂を核とするコンポジット事業と塗料用樹脂を扱うコーティング事業の強化に経営資源を集中していくことになる。なお同社は、これに先駆けて今年6月に、ラテックス事業のうちの特殊製品部門をダウ・ケミカルとの合弁企業の手に委ねるとともに汎用製品部門をダウに売却することを決定し、現在は米・連邦取引委員会(FTC)の審査の終了を待っているところ。