2004年05月12日
中国向けポリオレフィン価格、4月並みにとどまる
日本各社の値上げ要求が通らず
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 日本のポリオレフィンメーカーや大手商社によると、中国向けのポリオレフィンの輸出価格は5月の連休明けも改善されないままきている。どの樹脂も4月と同一のレベルにとどまっている。

 ポリオレフィンメーカーや商社各社は、5月の引渡し分をトン当たり20ドル前後引き上げたいとしてかねてから中国の需要家やトレーダーを説得しているが、いまのところほとんど同意を得られないできている。

 これは、これまでの相次ぐ値上げによって中国の加工企業の多くがすでに採算を維持できなくなりつつあること、中国政府の金融引き締めによってLCが大幅に制約されると同時に金利が高騰して資金ショートが市場に発生しはじめたこと、停電の対象が広がってきて加工業界全体の稼働率が低下していること--などの要因によるもの。こうした複雑な要因がからみあっているだけに、サプライヤーサイドとしても値上を強行できずにいるわけで、しばらくは膠着状態が続くと見られている。

 直近のトン当たりの契約CFR価格は、HP-LDPEが920〜930ドル、L-LDPEが850〜860ドル、HDPEが840〜860ドル、PP-Hが840〜850ドルとなっている。