2004年05月12日
三井化学、フェノールとアニリンの価格を改訂へ
ベンゼンの高騰に対応、5月17日から9〜11%アップ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学はフェノールとアニリンの国内価格を5月17日出荷分から再修正すると発表した。また、アジア諸国向けの輸出価格も5月後半積み分から再値上げする。
 
 国内価格の上げ幅は、フェノールがキログラム当たり14円、アニリンが同18円。アップ率は、フェノールが平均9%、アニリンが同11%となる。
 一方の輸出価格の上げ幅はともにトン当たり70ドル。いずれもCFR同1,020ドル以上を目指す。
 
 今回の価格修正も、今年2月のときと同様に原料ベンゼンの高騰分を製品価格に転嫁することを目的としたもの。
 
 同社によると、第1・四半期のベンゼンの国内価格はキログラム当たり65円で前期より11円高くなったが、第2・四半期はそれがさらに14円上がるのが避けられない見通しにある。これは、指標の一つである米国における6月以降のベンゼンのコントラクト価格が今年2月のフェノールの値上げ実施時よりガロン当たり60セント高い230セント(トン当たり690ドル)の高値で推移することが確実視され、また、もう一つの構成要素であるナフサ価格も第3・四半期分が今年2月のフェノールの値上げ時点よりキロリットル当たり3,500円上回って同3万1,000円に跳ね上がることがほぼ確実となってきたことによるもの。国産ベンゼンの14円のアップのうち10円が米国のBZのPCのアップ分に伴うもの、残り4円がナフサの高騰によるものという。
 
 SMやANなどに続いての短期間での再値上げになるわけだが、フェノールもアニリンもアジア地域を中心に需要が旺盛で、しかも一方の供給能力が定修の集中やメカニカルトラブルの続発もあって世界全体に縮小しているため需給バランスがかつてないほど逼迫している。こうした中で欧米のフェノールメーカーも相次いで価格修正を表明している。