2004年05月17日 |
トクヤマ、超大型単結晶の育成に世界で初めて成功 |
CZ法による直径300mmのフッ化カルシウム品 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:トクヤマ |
トクヤマは14日、チョクラスキー(CZ)法による直径300mmのフッ化カルシウム(CaF2)超大口径単結晶の育成に成功したと発表した。直径300mmもの大型フッ化カルシウム単結晶の安定育成は今回の同社が世界で初めて。ArF(フッ化アルゴン)液侵ステッパー向けに研究開発してきたのが実を結んだもので、ArF液侵ステッパーの光学設計・開発に大きなインパクトを与えることになると見られている。 現在同社ではサンプルワーク中。04年度上期中にはプレマーケッティングを開始し、品質と価格の両面で市場の評価が得られれば05年に上市した考え。05年度に年産500枚の生産能力を整え、3年後に1,000枚能力に拡大する計画。投資金額は30億円を予定している。売上げ目標は、ArF液侵ステッパーが立ち上がると見込まれる07年で50億円。 トクヤマが大型フッ化カルシウム単結晶の開発に取り組んだのは2000年から。東北大学多元物質科学研究所の福田承生教授と共同でCZ法の研究を重ねて02年には200mm級の単結晶の引き上げに成功、続く03年には結晶方位(100)の単結晶も開発するなどで次世代ステッパー(縮小投影露光装置)向けレンズ材料としてのフッ化カルシウム単結晶の開発の先行グループの一員として注目を集めていた。 今回の300ミリメートル級品種は、次世代リソグラフィにおける需要構造の変化に対応するため研究に取り組んできた結果開発に成功したもので、これによってArF液侵ステッパー用のレンズ材料として供給する体制と、その後に想定されるF2液侵ステッパー用に対応するための体制とをともに整えることが可能となった。 |