2001年11月13日
中国、アクリル酸エステルでアジア5カ国ダンピング容疑調査
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:BASF

 商社筋によると、中国政府はこのほどアクリル酸エステルの輸入をめぐって韓国、タイ、マレーシア、インドネシア、シンガポール5カ国の企業各社に対して、アンチ・ダンピング法違反容疑に基づく調査を開始した。
 
 中国(対外貿易経済合作部)は1999年12月にもアクリル酸エステルの輸入で日本のメーカー4社と米セラニーズ、独BASFの各社を不当廉売の疑いで調査を行い、BASFを除く全社に対し「クロ」裁定を下している。
 
 アクリル酸エステルは繊維や樹脂、ゴムの接着剤をはじめ塗料原料などに用途をもち、アジア地域でも比較的安定した成長が見込まれることからメーカーの新増設が活発化、昨年7月にはBASFがマレーシア・クアンタンにアクリル酸年産16万トンの大型プラントを完成している。こうしたこともあって市場競争は激化している。
 
 中国はアクリル酸エステルの大量輸入国で2000年は前年比24.5%増の15万5,479トンを輸入、今年も8月までで12万トンを超え前年を大きく上回るとみられている。