2004年05月20日 |
昭和電工、新規イソシアネ-トモノマーを開発 |
世界初、「硬化速度」従来品の3倍以上に |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:昭和電工 |
昭和電工は20日、電子材料や印刷などの分野で使われる「イソシアネートモノマー製品」の新グレード(商品名:カレンズAOI)の開発と、工業生産可能な独自製法の開発に世界で初めて成功し、サンプル出荷を開始したと発表した。従来品に比べて光硬化性が高いため、顧客であるディスプレー材料メーカーの生産性向上やコストダウンに貢献できるとしている。 イソシアネートモノマーは、他のポリマーに添加・反応させることによって光硬化等の機能性を高めることができる高機能性材料の一つ。同社はこれまで「カレンズMOI」を中心に展開してきた。これは、種々の機能性化合物と容易に結合し、紫外・可視光や電子線によるUV・EB硬化性を簡単に付与できる特性を持つことから、ディスプレーや半導体などの電子材料分野(液体レジスト、フィルムレジスト、粘・接着剤等)、印刷版やカラー校正等の印刷分野などに幅広く使用されている。 今回開発した新イソシアネートモノマー「カレンズAOI」は、分子構造中にアクリル基とイソシアネート基の2つの官能基を併せ持つもので、「カレンズMOI」のメタクリル基をアクリル基に変更したことにより、硬化速度は「カレンズMOI」の3倍以上になった。また、汎用のアクリレートと比較しても2倍以上の硬化速度を達成した。 光硬化技術は、ディスプレー材料等の微細加工分野に必要不可欠な技術だが、「カレンズAOI」は硬化速度を早めることから、ディスプレー材料等の生産性向上に寄与し、顧客のコストダウンに貢献することが期待されるとしている。 同社は現在、中期経営計画「プロジェクト・スプラウト」で、成長戦略事業の強化を推進中で、イソシアネートモノマー事業でも、新製品開発によるラインナップ化によって、2009年20億円の売上げを目指している。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/cgi-bin/fax/search.cgi?CODE=2169 |