2004年05月20日
使用済み塩ビの高炉原料化装置、JFEが営業運転へ
VEC・JPECやプラ協との共同研究を終了
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:NEDO、塩ビ工業・環境協会、プラスチック処理促進協会、JFEスチール

 JFEスチールは、5月末から使用済み塩ビ製品の高炉原料化装置の営業運転に入ることになった。
 これは、プラスチック処理促進協会の協力を得て99年1月以降に塩ビ工業・環境協会(VEC)ならびに塩化ビニル環境対策協議会(JPEC)との共同で使用済み塩ビ製品の高炉原料化の技術開発と実証試験を進めてきた結果狙い通りの技術を確立できたので、これまで運転してきた実証設備を実用装置として活用していくことにしたもの。

 同装置は、使用済み塩ビ製品をロータリーキルンで熱分解して炭化水素と塩化水素に分離し、炭化水素を鉄鉱石の還元剤として、また塩素は塩酸としてそれぞれ有効利用していくためのもの。技術開発に要した資金は設備費を含めて約20億円で、うち10億円はNEDO技術開発機構からの補助金で賄われた。今回実用プラントとして利用されていくことになった設備の廃塩ビの処理能力は年間5,000t。設置場所は川崎市水江地区。JFEでは、3,000tを当面の目標としていく考え。回収塩酸は、同社が鉄板の表面処理に利用していく計画。
 これによってわが国における使用済み塩ビ製品のフィ−ドストック・リサイクル(ケミカル・リサイクル)は大きく前進することになる。