2004年05月21日 |
「APIC04」大橋・昭電社長の基調講演が注目集める |
アジア各国業界の繁栄に「石化コミュニティ」呼びかけ |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:昭和電工 |
クアラルンプールで開かれた日本、韓国、台湾、マレーシアなどアジア6カ国・1地域の石化業界団体によるアジア石油化学工業会議「APIC2004」は、総勢864人が参加するかつてない盛況のうちに20日閉幕したが、大橋光夫・昭和電工社長が大会冒頭に行った基調講演が注目を集めた。大橋社長は「アジア石化産業が成長の果実を真に享受するために」をテーマに、アジアおよび日本の石化産業の現状と今後の進むべき方向について、熱を込めて語った。 同社長は、まず現在のアジアの石化産業の好調な原因として「中国・アジアの予想以上の需要の拡大と、中東や中国の新増設計画の遅れ」が大きいと指摘。その一方で「ナフサ価格が急騰し、原油価格とのスプレッドが拡大している」と、石化製品のコストアップに強い懸念を示した。さらに「これから中東産油国で大型設備の新増設が続く。アジアの石化産業は原料価格面で今後厳しい局面に立たされるだろう」と警鐘を鳴らした。 日本の石化産業については、課題として「コスト競争力の強化と、高品質材料の供給者としての地位の確立」の2つをあげ、「情報通信やデジタル家電など、イノベーションが作り出している新しい世界市場を支えていかなければならない」との点を強調した。 また、アジア石化産業が目指すべき方向として、「アジアの人口は急速に増えており、石化製品の需要の伸びも大きい」とし、「アジアは世界の成長センター」であるべきだと説いた。 その上で「アジア各国はいずれ日本と同じ道を歩むことになるだろう。国の枠を超えて最適生産地への集中や共同投資、共同研究開発を行う“アジア石化コミュニティ”の形成が必要だ。これによってこそ、アジア各国の石化産業の繁栄は約束されたものになる」と、独自の発想によるコミュニティづくりを提案した。説得力のある説明とスケールの大きな提案に、会場を埋めた参加者たちは深い感銘を受けた。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/0521apic.doc |