2004年05月25日
タカラバイオ、セレウス菌嘔吐毒素産生株の検出キット開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:タカラバイオ

 タカラバイオ(加藤郁之進社長)は25日、セレウス菌嘔吐毒素産生株を迅速に検出するPCRキットを開発したため、28日から発売すると発表した。

 Bacillus cereus(セレウス菌)は、環境に広く分布しており、食品への汚染の機会が多く、食料、食材、調理加工食品の衛生的な取扱がなされなかった場合、腐敗、変性をもたらしたり、食中毒を引き起こすことがある。行政上も、食中毒細菌として扱われている。

 セレウス菌には、嘔吐毒素(セレウリド)を産生するものと、下痢原性毒素を産生するものがあるが、わが国に頻繁に見られるのは「嘔吐型食中毒」で、その発症には嘔吐毒素が関与している。

 同社はこのほど、名古屋市衛生研究所 主任研究員 安形則雄氏らの開発した、嘔吐毒素を産生するセレウス菌を検出する特異的プライマーを用い、簡便で特異的な嘔吐毒素産生セレウス菌の検出キットを構築したため、発売することにした。

 名古屋市衛生研究所の協力で、日本で発生したセレウス菌による嘔吐型食中毒の臨床株を無作為に100株用いて検出したところ、100%の確率で検出できたというテスト結果を得た。セレウリド非産生株では全て陰性となった。

<製品概要>
◇製品名:Bacillus cereus (CRS gene) PCR Detection Kit(研究用試薬)
◇製造販売:タカラバイオ株式会社
◇価格:89,250円(消費税込)50検体用

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/0525takarabio.doc