2004年05月31日
昭和電工、台湾トレース社を子会社化、ハードディスク増強
単独業績予想を修正、売上高・経常利益83億円の増加
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:昭和電工

 昭和電工は31日、台湾のハードディスク(HD)メーカー Trace Storage Technology Corp. (トレース社)の第三者割当増資を引き受け、連結子会社化すると発表した。トレース社に対しては今後新たな技術供与を行なうほか、HD市場の拡大に対応して、グループの生産能力増強についても検討を急ぐ。

 トレース社と昭電の生産子会社である、昭和電工エイチ・ディー(SHDI:千葉県市原市)、昭和電工エイチ・ディー・シンガポール(SHDS)を合わせたHD生産能力は現在月産830万枚と、世界最大規模だが、今後さらに約40億円を投入して200万枚の増強を図る方針。

 HDドライブ(HDD)市場は、モバイルパソコン、HDD付DVDプレーヤーの販売増加等により市場が拡大し、2004年以降も年率10%程度の高成長が見込まれている。そのため、今後ともHDの需給はタイトな状況が続くと予想されている。

【トレース社への出資スキーム】
 トレース社は本年7月をめどに、昭和電工を引受先とした第三者割当増資を実施する。昭電出資後のトレース社の資本金は約1億4千万USドル、昭電はその2/3の株式を取得し連結子会社とする。

【ライセンス料収入による単独業績への影響
 単独業績は、7月に予定されている7千5百万USドルのライセンス料収入により、売上高、営業利益、経常利益とも83億円、また当期純利益では48億円の増収増益となる見通し。しかしライセンス料収入は、トレース社が子会社となることによって、連結上の内部取引となるため、当期の連結業績に与える影響はない。

【Trace Storage Technology Corp.社の概要】
(1)代表者(董司長):昭和電工執行役員・エレクトロニクス事業企画部長の坂井伸次氏が7月就任の予定。
(2)所在地:台湾 新竹市科學工業園区科技五路8号
(3)設立:台湾中国信託商業銀行グループの企業として1990年9月に設立
(4)事業の内容:ハードディスクおよび基板の製造、販売
(5)従業員数:755名(2004年4月末)
(6)売上高:約82百万US$ドル(2003年12月期)

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/0531sdk.doc