2004年05月31日 |
食品安全委の専門調査会、アイエス法も問題なしと判断 |
PETボトルのケミカルリサイクル、帝人に次ぐ工業化に道 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:帝人、厚生労働省 |
内閣府の食品安全委員会の容器包装専門調査会は31日、第3回会合を開いて、アイエス法ケミカルリサイクル製品の食品健康影響評価について意見を交わした。 これは、ペットリバース社が市町村や事業者から回収したPETボトルをフレーク状に切断した後、エチレングリコールを用いて化学分解してモノマーであるビス-2-ヒドロキシエチルテレフタレート(BHET)を製造し、それを蒸留精製ののち溶融重合と固相重合を経てPET樹脂に再生した製品が食品衛生上ならびに健康上に問題を引き起こす心配がないかどうかを専門家によって検討することを目的に開催されたもの。 これまで専門家や同委員会事務局の手で集められた内外の豊富なデータとペットリバース社から提出された様々な実験データ等をもとに検討された結果、「現在製造されている石油由来のPETと同じ用途内において食品に直接接触する容器としてしようすることは可能である」との見解をまとめた。 「現在の石油由来のPET樹脂の安全性が確保されていることを前提とした上で、米国やドイツ等の安全性の判断基準を基に、提出された資料によって安全性を評価した結果、安全性が懸念される結果が認められなかったから」と説明している。 使用済みPETボトルを化学的手法によってボトル原料に再生する手法は、先に帝人グループが技術を確立して食品安全委員会から食品・健康上何ら問題がないとの評価を受けて4月から量産に入っている。 今回のアイエス法については、同専門調査会の報告を受けた同委員会が帝人グループのケース同様に一般からパブリックコメントを求めることにしている。その結果、異論が出されなければ同委員会がこの日の結論を同員会の結論として厚生労働省に報告する。厚生労働省がそれを認めれば、ペットリバースも帝人グループに続いてPETボトルの「ボトルtoボトル」の分野に参入することになる。 |